初めてメンタルクリニックに行った日のこと

初めてメンタルクリニックにかかってから、この1月で丸7年が経つ。

もうそんなに経ったのか、という純粋な驚き。

 

あの時の自分と比べて何か変わっただろうか。

高校1年生、学校から段々足が遠のき始めていて、欠席が徐々に増えてきた頃。

中学1年生の頃から、学校のある日は毎日腹痛に襲われていた。

丸3年経ってもそれを親にうまく伝えられなかった。

でも学校に行けなくなってしまったら、理由を言わないわけにもいかない。

意を決して親に伝えて、連れて行ってもらった病院。

消化器内科で検査をしても異常がなくて、ストレスでしょうと言われ紹介状を書いてもらってメンタルクリニックに転院した。

 

初診の日。小さなクリニックの診察室に母と入った。

話している間に涙がこぼれて止まらなくなったわたしに、医師は慣れているとでもいうようにティッシュを渡した。あの時の光景を今でも覚えている。

 

私は自分がいまどういう状態なのか、今の自分に何が必要なのか、これからどうしていきたいのか、まったく分からなかった。

出生歴や成育歴を聞く主治医と、それに答える母をぼーっと見つめていた。

結局心理試験をして、カウンセリングと投薬治療をすることになった。

 

「とりあえずこれを飲んでみてください」

そうとだけ言って渡された薬を飲んだ次の日、わたしは副作用で丸1日布団の中で過ごした。その薬がものすごく強い薬だということを、ずっと後になって知った。

両親はあまりに強い副作用に驚いて、向精神薬を飲むことに否定的な態度を示した。

でもわたしはすごく救われた気がしていた。

 

メンタルクリニックに通院して治療を受けている。薬を飲んでいる。

今までの苦しさは甘えでも怠けでもなかった。

わたしのせいではなかったと思った。

 

先生は診断名を教えてくれなかったけれど、毎月変わらず処方されるその錠剤はわたしを安心させた。